Q:はり治療は痛いですか?

A:世の中にはさまざまなはり治療があります。代表的なものだけでも、はりを皮膚に当てない・皮膚に当てるだけ・ほんの少しだけ刺す・深く刺す・深く刺して電気を流す、軽度の出血を目的とするもの、とあり、それぞれに痛みの有無や強さが異なります。当院は過去、さまざまな手法を試してきましたが、現在は深く刺す手法がベストであると考えています。

当院のはりは、ファシアと呼ばれる結合組織(俗にいう「あぶらみ」の部分です)に生じた繊維のからまりを解くことを目的としています。これにより、従来のツボを使ったやり方よりも効果が高く、持続期間の長いはり治療が可能となりました。

ただし、このファシアを用いた手法には、独特の痛みに似た感覚が生じます。なかなか言葉では形容しがたいのですが、仕組みとしては、体内で組織を引っ張る時に生じる伸長刺激というものによって生じています。注射針や縫い針の「チクッ」「ザクッ」といった痛みや、炎症箇所の「ズキッ」といった痛みとは異なるため、人によっては心地よく感じる方もおられるようです。

それでも痛みが耐えられない・不快に感じる場合は遠慮せずに申し出てください。別の方法を検討いたします。

Q:はり治療を受けた日はお風呂に入っても大丈夫ですか?

A:入っていただいて構いません。はり治療で使うはりは一般的な注射針よりもかなり細く、先端も組織を傷つけにくいように出来ています。体を洗うのもよほど強くこすらない限り普通に洗って頂いて大丈夫です。

ただし、長風呂やサウナは避けてください。副作用が起こることがあります。

Q:はり治療に副作用はありますか?

A:まれに副作用としてたちくらみ、めまい、吐き気などの症状を起こすことがあります。

これらの症状の原因は主に一時的な脳貧血です。くび・肩周辺の筋肉が堅くなったり周辺組織がむくんだりすると、首の血管を圧迫し血流を悪化させることがあります。この首の血流を回復させる際に、頭部で渋滞していた血液が一気にながれた結果、一時的に脳内の血圧がさがってしまうことがあります。5分~30分ほど横になっていれば人体の血圧調整機能の働きによって自然に治っていきます。ただし、はり治療の後に過剰に体や神経を刺激して循環を促すようなこと(長風呂、深酒、激しい運動など)をすると、こういったことが起こりやすくなるといわれておりますので、治療当日はお控えください。

また、循環が変化することへの体の適応が遅い方の場合、治療当日~翌日までだるさを感じることがあります。その場合、刺激量を調整いたしますので、次回におこった事をお伝えください。

はり治療の性格上、まれに皮下の毛細血管を傷つけ内出血が発生する事があります。通常は1週間程度で消えるぐらいの小規模なものですが、抗凝固剤(ワルファリンなど)や一部の鎮痛剤(バファリン・アスピリンなどのアセチルサリチル酸製剤)を服用されておりますと内出血が大きくなることがありますので必ず事前にお申し出ください。

他に、副作用ではありませんが、関節や筋肉などの炎症の治療を行った後、症状が楽になったからといって治療後すぐに動かれ、翌日に炎症がぶり返す方がおられます。関節や筋肉の治療を行った直後にたとえ症状が楽でも、その日一日はゆっくりとしてお過ごしください。

※こちらの記事もご覧ください→ 鍼治療の好転反応とは?症状の説明と仮説

Q:○○という症状なのですが、はり治療は効きますか?

A:はり治療の目的を一言で表すと「体内の循環を正常な状態に近づけること」です。

症状の原因が循環の異常にあればはり治療は有効ですが、お医者さんの診断された疾患名だけでは体の循環の状態を把握することはできません。そのため、一度診察しないことにははりが有効かどうか判断することは難しいです。

有効とされる疾患について、WHO(世界保健機関)は49疾患に対して鍼灸が有効であるとしていますが、それ以外の疾患の場合でも一度ご相談ください。

Q:健康保険は使えますか?

A:当院は保険治療を行っていません。ご了承ください。

Q:レシートは医療費控除に使えますか?

A:はい、使えます。

医療費は保険治療だけでなく、国家資格を保有する医療類似行為従事者(鍼灸師、あんまマッサージ師、柔道整復師)による治療、薬店で買った市販薬、医師の自由診療の費用(インプラント・出産など)の費用、健康診断にかかる費用まで含みます。これらのレシートはすべて医療費として医療費控除の申請に使えます。

Q:小児はりは何歳から受けられますか?

A:首が据わっていれば小児はりは可能です。

Q:はりを刺して子供は泣きませんか?

A:小児はりは「接触鍼」と呼ばれる、へら状の道具などを使った刺さない鍼の技法を用います。ですので、お子様でも安心して受けていただけます。

また、スプーンや歯ブラシ・ドライヤーといった家庭にある身近な道具を使って代用する「家庭でできる小児はり」のレクチャーも行っております。

Q:小児はりはどのような症状に効きますか?

A:意外かもしれませんが、幼い子供はストレスを溜めがちです。それは、身の回りのものごとの多くが子供に取っては新鮮で、そのため常に脳が興奮状態に置かれるからです。

それでも通常は駆け回ったり笑ったり泣き叫んだりすることでストレスが発散されるのですが、それでもストレスが取り切れないときに「かんむし」や「夜泣き」「かみつき」などのストレスから来る行為が発生してしまいます。また、まだ自分の思い通りに歩けない・話せない時期にはストレスの溜まり方が更に強くなります。

この時のお子さんの頭や肩を触るとひどく凝った状態になっております。この凝りを解消させることでお子さんのストレスを消化しやすくする治療が小児はりの最も得意とするところです。

他にも夜尿症、咳や扁桃の腫れなど長く続く風邪の諸症状など様々なお悩みに対応できます。ぜひ一度ご相談ください。