鍼灸というのは「いたい・あつい」のイメージが先行するため、鍼をしたことのない方からは「こわいもの」という印象を持たれています。
ですので、何か症状が出た時、医院へ行き、接骨院へ行き、整体へ、あるいはカイロへ行き、それでもダメだったので清水の舞台から飛び降りるつもりで鍼灸院へお越しになる、なんて方が珍しくありません。(いや、痛くないし熱くないし怖くないんですよ?)
それだけアチコチ通われてからお越しになるので、持ってこられる症状もある程度限られます。現代医学の標準医療が確立している分野であったり、揉んで治るような症状で鍼灸院へお越しになるかたはあまりおられません。
そんな中でよくある症状のひとつに「めまい」があります。
めまいは耳鼻科だと酔い止めを処方されたり、あるいは耳の神経の回復を促すビタミンB12等を処方されることが多いです。が、正直なところそれで治る方って居るのかなー、と思ってしまいます。メニエールと診断されると血流改善薬や安定剤・利尿剤なども処方されるようです。
このめまい、漢方でも耳回りの循環に問題が生じた時に起こすと考えますが、循環障害の原因については胸腹部で下へ向かう循環が障害されて何かが過剰に頭部へ逆流してくる系統(ストレス性・消化器系の問題・血液循環の問題(いわゆる更年期))と耳の周りに何か邪魔なものがある系統(カゼの一種・水分代謝の問題)に分かれます。
それぞれの原因に対して対処法が確立しており、治療経過もおおむね良好な方が多く、現代医学が鍼灸や漢方の治療法を真剣に研究すればいいのになーと思う分野の一つです。
他にも現代医学が割と苦手としていて鍼灸・漢方が得意としている分野というのがいくつかありますので、折を見てお伝えしていきたいと思います。